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Insta360 X3 の挙動分析 (その1)

セール価格だと喜んで買ってしまった Insta360 X3 ですが・・・気が付いたら Insta360 X5 が新発売となっていました。どんどん新型が出て進化していきますなぁ。

X3 は2世代前の型落ちになったとはいえ、一応エントリーモデルという位置付けで販売継続。そして、セール価格が通常価格になったようです。静止画の解像度等は X3、X4、X5 は同等なので、私の用途的には X3 選択で正解だったかもしれません。しかし、レンズそのものが簡単に交換可能になったという X5 ・・・価格以外は魅力的ですなぁ。

そんな Insta360 の360度カメラですが、軽く使ってみて色々と疑問がありました。設定等はどのようにするのがワタシにとってベストなのか・・・検索してもドンピシャな解説を発見できませんでした。動画についての考察は沢山あるのですが、案外静止画での解説ってないんですな。そんなわけで、自分で色々と弄りながら分析していきたいと思います。今回はそんな Insta360 X3 分析の第一弾。まずは360度の静止画撮影に関するアレコレ。

まずは生成されるファイルについて分析。360度撮影、72MP、INSP+RAW 保存とすると・・・

こんな感じで2つの撮影素子をキャプチャした2枚が横並びになった .insp ファイルと、

縦並びになった .dmg ファイルといった2つのファイルが保存されます。コレは PureShot 保存した場合も同様ですが、.insp ファイルの方がモノクロになります。INSP 保存の場合は .dmg ファイルは生成されず、1ファイルのみが出力されます。

.dmg がある場合は、Insta360 Strudio アプリで2つが合成されて色補正(PureShot 処理)されてよりクッキリした色味になります。INSP のみでも blog 掲載くらいなら十分な色味ですが、せっかくなら PureShot 処理ができる .dmg ファイルもセットにしておいた方が良さそう。撮影直後のファイル保存時間が延びるのと、保存されるファイルサイズが巨大になるのがデメリット。

360度静止画の撮影では解像度を 72MP か 18MP で選べます。そのまま掲載するにはどちらもファイルサイズが巨大なので、リサイズした画像で比較してみます。Insta360 Studio にて .dmg ファイルを読み込んで PureShot 処理をして、「視野角の切り替え」で「正距円筒パノラマ」を選んでから「書き出し」で「360度写真書き出し」で JPEG 出力。その後、別アプリでリサイズしました。

コチラが 72MP。11968×5984 と巨大な画像になるので、QooCam Fan 同等な 3840×1920 にリサイズしています。リサイズ前は約 46MB もありますが、リサイズして 2.84MB です。

コチラが 18MP。5952×2976 から 3840×1920 にリサイズ。リサイズ前が 14.1MB、リサイズ後は 2.96MB。

比較してみるも・・・どちらも解像感に大きな違いを感じませんな(笑)。18MP の方が若干色味がイイ感じがするくらい。

コチラが正距円筒パノラマな状態です。Insta360 Studio でメガビュー視点に展開した状態で、赤い矩形の部分を拡大して比較してみましょう。ちなみに、この撮影時は自撮り棒を立ててタイマー撮影。ワタシは大きな木の裏に隠れていますので、レタッチ系の処理は一切無しです。

レンズ中心付近に位置する公衆トイレの部分。72MP だとこんな感じですが・・・

18MP だとこんな感じ。確かに 72MP の方が若干ディテールがシッカリします。とはいえ、やはり撮影素子のピクセルを座標変換して平面化すると、各ピクセルが歪んで展開されてから再度ピクセルマッピングされる360度画像の特性からすると、写真を拡大してしまうとモヤっとした感じになるのは仕方がないのかもしれません。

コチラはレンズのより外側、エッジ部分に近いけど、三脚の足元なので距離が近い場所のタンポポ。72MP だとこんな感じで・・・

18MP だとこんな感じ。ここまで拡大しちゃうとそれなりの差になるけど、ザックリと雰囲気を掴む360度画像の状態なら、結局 blog に載せる際に縮小するのでどちらでも問題ない感じですね。

Insta360 X3 で撮影したものの中から、リフレームした画像にするなら 72MP の方が良さそうですが、平面な静止画にするならスマホで撮影した画像の方がクッキリとキレイに保存できそう。

撮影した際に保存されるファイルはこの写真だと、72MP で .insp 約 28MB と .dmg 約 136MB の合計約164MB。18MP では .insp 約 10MB と .dmg 約 34MB の合計約 44MB。やはり 72MP だとファイルサイズが3倍近くになってしまいます。もちろん撮影する対象によってもファイルサイズは変化しますが、1枚撮影するだけで 100MB オーバーというのは、なかなか巨大ですな。256GB の microSD であれば大量に保存できそうなので 72MP で良さそうですが、32MB とか小容量の microSD を使うような場合は INSP のみの 18MP にするといった工夫が必要そうです。

とはいえ、ファイルサイズの増加量ほど得られる画像の質が上がるかというとそれほどでもないので・・・今後の生データ保管等を考えても、解像度は控えめで良いのかもしれません。